2021年3月29日月曜日

労働委員会による説得を拒否し、斡旋を不調に終わらせた聖パウロ病院 写真撮影も居直る

多摩連帯ユニオン聖パウロ病院分会は、3月9日、分会News№3の配布を、聖パウロ病院前で行いました。その時、二人の職員が出てきて、裏門で配布していた加納書記長と永留分会長の写真を至近距離から撮影したことに対し3月11日付で病院側に「申し入れ並びに要求書」を送付しました。

 組合は、病院側の行動の全てが、組合活動への不当な支配・介入であり、不当労働行為そのものであるとして、以下のように、申し入れ、または要求しました。

一、今回のような組合活動への介入行為を二度と行わないこと。

二、不当に撮影された写真・画像データの使用目的を明らかにすること。

三、今回の病院側の介入の理由・目的・誰が指示したか責任の所在を明らかにすること。

四、今回の行為に対して、謝罪を要求する。


 無断で至近距離から他人の写真を撮影することは、肖像権の侵害であり絶対に許されないことです。組合の文書に対し、病院側は、3月24日付で、「回答書兼抗議書」なる文書を組合に送付してきました。写真撮影についての病院側の回答(言い訳)の概要は以下の通りです。


「ビラ配布の際、組合関係者が病院敷地内に立ち入る等の状況があったこと(略)、敷地内への立ち入り状況等を記録するため」に行った。


 この時、加納書記長も永留組合員も敷地の外、公道でビラを配布していて、何の問題もありません。それなのに、なぜ写真を撮ったのでしょうか。「敷地内への立ち入り状況を記録するため」ではなく、最初から組合員の写真を撮るのが目的だったのです。しかも、永留分会長から2メートルも離れていない場所からの撮影です。明らかに弾圧が目的です。

 またどういうわけか、1月のビラまきの様子を撮った写真に職員が映り込んでいるのを指して、「肖像権の侵害だ」などと言っています。そうか。「わかっていてやっている」ということですね。組合の活動記録のための写真と、弾圧が目的の自分たちの行動と同列に扱うなんて、どうかしています。彼らのやったのは、どう言い繕うが組合員の写真撮影です。完全な違法行為です。

 

 

🔹分会News№3号の表現について

 病院側の3月24日付「回答書兼抗議書」には、分会News№3の表現について、次のような指摘がありました。


 「『あっせんを拒否』『病院側はあっせんを拒否しました』『聖パウロ病院側はあっせんの拒否を労働委員会に申し立てた』と記載し、あたかも当法人があっせんを拒否したかのように非難を行っているが、そのような事実は」ない、と。


 確かに、聖パウロ病院はあっせんに応じており、当日もあっせんに臨んでいます。この記載は不正確なものです。しかし、組合はあえて言います。「病院側はあっせん団交で解決することを拒否したのだ」「病院側は斡旋を不調に終わらせた」と。

 組合側は、「未払い賃金を認めない」「働いた分は支払え」と主張をしました。労働者として全く当たり前の要求です。病院側は、以前からの「病院の指揮監督下にあったわけではないから、賃金は発生しない」などとただ働きを正当化したのです。驚くべきことに、公(おおやけ)の労働委員会の場でそんなことを言ったのです。

 病院側に言いたいことは、「あっせん(または団交)というのはただ応じればいいというものではない」ということです。組合の求めている「実労働に対して賃金は支払われるべきという社会常識にのっとって誠実に交渉しろ」ということであり、そこから聖パウロ病院は「逃げた」ということです。

 労働側委員は、「ただ働きが認められることはなく、未払い賃金は支払われるべきである。裁判なら勝てる内容だ」というふうに激励してくれました。

 聖パウロ病院の労働者の皆さん!未払い賃金を組合に申告してください!または、未払い労働道があることを、永留分会長と一緒に証言してください!秘密は厳守します。

 組合は、改めて主張します。聖パウロ病院は、数年間にわたる未払い賃金を支払え、と。